会議革命 PHP文庫 |斎藤 孝
会議革命 PHP文庫斎藤 孝
PHP研究所 刊
発売日 2004-04-01
価格:¥580(税込)
報告ばかりで形骸化している、目的が不明確、結論の先送りばかり、発言しにくい雰囲気がある、決まったシナリオをなぞるだけ…。日々の会議になにかと不満をもっている人は多いはずだ。本書は、そうした会議の改善策を「十の法則」にして講じるほか、「三つの革命」で独自の会議スタイルを提案する。
「十の法則」では、たとえば、部下のアイデアにネガティブなコメントをして権威を示すような上役の意識や、あらかじめ決められている参加者の序列、発言権を問題視して、「会議ではゴールを生んだかどうかが全て」「アイデアを出す人が偉い」との認識を共有すべきと強調する。また「結果の出やすい」テーマの設定や、必ず何かを決めてから会議を終えることの徹底、暗黙知の共有でアイデアを出す方法などを提案。ホワイトボードの使い方、机や椅子の配置、話し方、コーヒーブレイクの入れ方といった細かいアドバイスも行う。
一方の「三つの革命」では、参加者が2人1組になって特定の「ポジショニング」で向き合い、「キーワード・シート」にアイデアを書き込んでいく「マッピング・コミュニケーション」というスタイルを提案する。これにより、一人では思いつかないようなアイデアや力を出し切ったという充足感が得られ、会議の効率や生産性のアップも図れるという。
著者は『声に出して読みたい日本語』シリーズでも有名な、身体論やコミュニケーションの専門家。幅広い知見を取り入れたノウハウが新鮮で、会議に対する従来の認識を一変させてくれる。(棚上 勉)
実は日本の社会批判かも 2004-10-01
まあ、無駄はもともとで移動の時間つぶしのつもりで手にとって、これはと膝を打ったのがこの本である。この手法のようなやり方はあんがいむずかしいのだが、だからといって無理なのではない。マニュアルどおりやる必要も無いし、エキスだけ抽出して我流を通したっていいだろう。こういうスタイルを取れるという環境こそ会議に臨む基本姿勢な訳なのだが、それができないのが日本という社会なのである。そういう日本の社会論として読むことだって可能なのである。
この本にある会議スタイルは、実は発想法であって、実際に今存在している会議とは別物と考えた方がいい。ひょっとすると会議であるという定義にも入らないものなのかもしれない。話し合って何かをしたり、何かを決めるという手法は、会議の解体にこそあるということか。こういうことができると確かに楽しいだろうなあという気はするが、こういうことができる環境にする労力の方が大変そうな予感もある。それぐらい現状は悲惨なのである。会議をどうにかしようという考えは、今会議に参加している連中を取り替えない限り不可能なのかもしれない。さまざまな改革が叫ばれる昨今、まずは会議革命から取り組む必要があるということなのだろう。
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この記事は2006/12/7に作成しました。
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